好きって言ってもいいですか?
涙目になりながら、訴えるあたし。



はぁ・・と大きなため息交じりのおじさん。



「毎回毎回、おんなじセリフを聞いてるような気がするよ。


今度発見したら、お兄さんに言うからね!


商品企画部の片倉さんだよね。お兄さん。」



おじさんの怖い顔がもーと怖い顔になって近づいてきた。


「・・そうです。」


おじさんの迫力に負けて、簡単に答えてしまうあたし。


「じゃあ、もう帰りなさい。おじさんも見回りの途中だから行かないと」


気をつけるんだよ・・とおじさんがその場から立ち去る。


おじさんがいなくなった途端にはぁ・・と大きなため息があたしの口から出てきた。



そんな物陰に冷たい風がまた、吹いてきていた。
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