推しとか恋とか青春とか。
どんなものが好きで、どんな子が好きなのか…


わたしは学君のこと何も知らないから。


なのにこれまで勝手に推してたんだもんね。


かっこよくて、頭も良くて完璧で…


それだけの理由で。


こんなの推し失格じゃん。


北嶋さん達と同レベルみたいなもんじゃん。


肩を落としながらチラチラと学君に視線を送るわたしを、真留君が見ていたことなんて気づきもしなかった。


そして、この実行委員を通して、学君との距離が近づくことも、この時のわたしはまだ知らない。







「彼方、もう行ける?」


「うんっ、急ご」



食べ掛けのパンを口いっぱいに突っ込む昼休み、これが今では日課になりつつある。


今日も今日とて実行委員会ってやつ。
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