推しとか恋とか青春とか。
「こちらこそ!ありがとう!これからも仲良くしてね?特にテスト付近は。えへへ」


「ん。彼方の先生役はいつでもするよ」



この実行委員を通して、学君との仲はかなり深まった気がする。


無口クールボーイかと思ってたけど、こんな風に楽しく話してくれることも知れた。


大変だったけど、わたしも学君と委員になれて本当に良かった。



「ゆに、お疲れっ!」



教室に戻ると、真留君と紗枝が待ってくれていた。


2人から優しい笑顔で迎えられ、いつものお調子者のわたしが顔を出す今日も絶好調だ。



「超ぉ〜頑張った!もっと労って?」


「調子に乗りすぎ」



と相変わらず厳しい紗枝に対し、真留君は満面の笑みを向けてくれていた。


気づくと学君の姿はなく、いつもの3人で談笑して文化祭は終了。


実行委員という大役を無事に終えたわたしは、ほんの少しだけ成長出来た気でいた。
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