推しとか恋とか青春とか。
笑ってくれない、話してくれない……


そんなの絶対に嫌だ。


だから、この気持ちは伝えたくない。



「ね、ゆに。瀬ノ上のことなんだけど、告白されてるってほんと?」


「うえっ!?なんで知ってるの!?」


「やっぱりそうなんだ?へ〜、ゆにったらモテモテじゃん」


「や、告白という告白はされてないよ?」


「でも、ゆにのこと好きだよね、瀬ノ上」


「っ、……」



だよね…学君はわたしを好きでいてくれてるんだよね。


意識してほしい、って言われる前から意識してたけど、それは恋愛感情としての意識じゃなかった。


普通の友達として、推しとか関係なく、って意味で意識してたんだと思う。


あれだけかっこ良ければ、ドキドキも緊張もして当前だよね。


……学君には申し訳ないけど、自分の気持ちに気づいてしまった以上は、学君の気持ちに応えることは出来ない。


ということをいつ、どのタイミングで伝えるべきか、新しい悩みが生まれた。
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