推しとか恋とか青春とか。
「ゆに、おはよ。」


「おはようっ」


「紗枝のこと待ってるの?」



ローファーを片付けながら視線だけを向けられる。


ううん、待ってたのは…



「真留君のこと待ってた」


「僕?朝から嬉しいっ。どうしたの?」



隣に来てくれた真留君にドキドキしながら、昨夜考えたお誘いの言葉を口にした。



「初詣なんだけど、一緒に行かない?」



本当はもっとお洒落な誘い方をしたかったんだけど、ばかなわたしにはこれが精一杯だった。


というより、真留君の返事が気になりすぎて、誘い方なんてどうでも良かった。



「え、…」



だけど、やっぱりもっとお洒落な誘い方をするべきだったかも。


想像していた返事とは違う反応がきてしまったのだから。


だから、咄嗟にフォローする他ない。
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