推しとか恋とか青春とか。
Ⅰ
推し
「…すみません。分かりません」
「彼方、分からないんじゃなくて聞いてない、の間違いだろ?教科書の25ページの問題解いて放課後持って来い」
「…はい。」
彼方ゆに(おちかたゆに)、居眠りにて説教を喰らう5限目。
小さなため息を吐きながら椅子に座ると、授業は再開された。
「じゃ〜…瀬ノ上、今のところお願い出来るか?」
「はい。」
名前を呼ばれた男子生徒が立ち上がると、教室の雰囲気が一気に爽やかになる。
黒板の前まで行くと、なんの迷いもなくスラスラと数式を解いていくその姿に、クラス中の女子は見惚れ気味。
……もちろんわたしも惚れ惚れ。
「さすが瀬ノ上。完璧だな。戻っていいぞ」
先生のその言葉に拍手が送られる中、彼は顔色一つ変えずに席に着いた。
「彼方、分からないんじゃなくて聞いてない、の間違いだろ?教科書の25ページの問題解いて放課後持って来い」
「…はい。」
彼方ゆに(おちかたゆに)、居眠りにて説教を喰らう5限目。
小さなため息を吐きながら椅子に座ると、授業は再開された。
「じゃ〜…瀬ノ上、今のところお願い出来るか?」
「はい。」
名前を呼ばれた男子生徒が立ち上がると、教室の雰囲気が一気に爽やかになる。
黒板の前まで行くと、なんの迷いもなくスラスラと数式を解いていくその姿に、クラス中の女子は見惚れ気味。
……もちろんわたしも惚れ惚れ。
「さすが瀬ノ上。完璧だな。戻っていいぞ」
先生のその言葉に拍手が送られる中、彼は顔色一つ変えずに席に着いた。