推しとか恋とか青春とか。
「ゆにっ?ここ学校…」


「でも誰もいない。」


「……じゃ、少しだけサボろっか」



わたしの手を引いた真留君が連れて来たのは中庭。


寒いかな?って思ったけど、今日の天気は晴天で、太陽がポカポカと暖かい。


ま、風の冷たさだけが唯一邪魔だけど。



「なんかもう春っぽいね」



空を見上げながら思ったことを口にすると、真留君の視線が向けられた気がして顔を向けた。



「ほんとだね。春になったらゆにとたくさんお出掛けしたいな〜」


「わたしも真留君とお出掛けしたいっ!動物園もいいし、水族館も楽しそう!あ、遊園地も」


「じゃ、全部行かないとだね?」


「うん!全部真留君と行くぅ♪」



動物園も水族館も遊園地も、真留君とだったら絶対楽しいに決まってる。


その楽しみがすでに約束されてるからこそ、色んなところに行きたくなる。
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