推しとか恋とか青春とか。
パッと顔を上げるとそこには真留君の姿が。



「早速会いに来ちゃった」



と笑う真留君を今すぐ抱きしめたい衝動に駆られる。


うぅ〜、ここはグッと我慢。



「隣の席がっくんなんだ?じゃ、安心だね」


「うん!心強い」


「…でも心配だなぁ。がっくん、ゆにのこと奪わないでね?」



とわたしと学君の間に立った真留君にクスクスと笑っていると、「彼方さん、」と後ろから九条君の声が。



「っ、はい!?」



ってなんで敬語で返事しちゃったんだ?


そんなわたしを九条君はクスクスと笑うと、再び口を開いた。



「職員室の場所教えてもらってもいい?書類の提出残ってて」



見ると九条君の手元には数枚の書類が。


そっか、転校生ともなると色々と忙しいんだね。


…かなりめんどくさそう…
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