推しとか恋とか青春とか。
「分かった。じゃ、行こっか」



と立ち上がると、九条君は真留君に軽く頭を下げた。



「ごめん真留君。ちょっと行って来るね!また放課後に」


「うん。放課後迎えに来るよ」



真留君の笑顔の補給がやや足りないけどこればっかりは仕方がない。


九条君を連れて教室を出ると、すぐに声を掛けられた。



「改めてだけど、九条翔悟です。席が前後だし、仲良くしてね?」



九条翔悟(くじょうしょうご)


やっぱり彼はどことなく真留君似だ。



「彼方ゆにです。わたし、居眠りしかしないけど気にしないで?」


「居眠り?眠り姫みたいだね」


「ね、眠り姫?そんなの初めて言われた。えへへっ」



"姫"だって!なんか良い響き〜!



「…さっきのは彼氏?」


「え?あ、うん♪真留君って言って隣のクラスなの。可愛い彼氏でしょ?」


「へ〜、やっぱり彼氏だったんだ?ラブラブだね」
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