推しとか恋とか青春とか。

侮れない

「てな訳で、どうかな?」



手の平を擦りながら相手の表情を伺う放課後の今、わたしは池田君を呼び出していた。



「ほら、バレンタインのお礼もちゃんと出来てなかったじゃん?」


「お礼なら貰った。ビターチョコ」



あ、そうだった。


苦〜いチョコを渡したんだったね。



「もういい?部活行かないと」



と歩き出そうとする池田君に待ったを掛ける。



「待って!お願いっ!一緒に遊園地行こう!?ねっ?絶対楽しいから!その楽しさは保証するっ」



お願い池田君!!朱里の為にも!!


ダブルデートをしよう!!!



「…なんで俺?他に行く奴いるんじゃない?」


「いない。それがいないからこうして頼んでるんじゃん」


「いや、でも普通に気まずい。彼方さんと彼氏ともう1人…何この謎のメンバー。おかしいだろ」


「っ、……」
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