推しとか恋とか青春とか。
ダブルデート日の今日、ゴールデンウィーク期間ということもあり、遊園地は人で賑わっていた。



「多いね、人…」



と顔を歪ませたのは朱里。


その感じだと紗枝同様、朱里も人ごみが苦手…?


大丈夫かな?


なんて心配していると、朱里が肩を寄せてきた。



「今日の紫波君、いつもと雰囲気違うね。可愛い…って言うより、かっこいい?みたいな…」



数歩先を歩く真留君の背中をチラチラ見ながらそう言った朱里に苦笑い。


ま、朱里がそう言うのも無理ない。


今日の真留君はかっこいい…


去年の夏祭りの時みたいな雄感ぷんぷんで。


それも、今日はあの時と同じ髪型……


もちろんいいんだよ?見たい、って以前に言ってたし…


だけどさぁ、どうせなら2人きりのデートの時にしてほしかった。


友達の朱里にさえ、男の真留君を知られるのは抵抗あるんだからね。
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