推しとか恋とか青春とか。
「じゃ並ぼう。意外と空いてるからすぐ乗れるかも」



っ、…大丈夫、大丈夫…


ジェットコースターなんて一瞬で終わるよね!



「ゆに?…なんか顔色が悪い?」


「っ、そうかな?全然大丈夫っ!楽しみだね」



朱里の不安気な顔に笑顔を作る。


あぁ〜、朱里と池田君に接点を作らないと!


このままじゃ、何もないまま終わってしまう…


……っ、でも、ちょっと今はそれどころじゃない、かも…


次に回ってくるだろう順番に脚が震える。


大丈夫、と俯きながら気持ちを落ち着かせていると、肩に触れたものにハッとする。



「ゆに、」


「…真留君…、」



優しく微笑んだ真留君に笑顔を向けると、「ごめん。僕とゆには下で待ってる。」と手を握った真留君。


そのまま真留君と下まで降りると、ベンチに腰掛けた。
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