推しとか恋とか青春とか。
真留君はそう言い捨てると、教室に姿を消した。


好きにすれば、なんて言われてもわたしは……



「だって。ってことで俺と打ち上げ「行かない。学君のせいだからねっ」



キッと学君を睨み見上げると、席に着いた。


わたしの後を追うように席に着いた学君は、頬杖をつきながら視線だけを向けてくる。



「ごめん彼方。機嫌直して?」


「…直せないぃ!真留君があんな風になっちゃったんだもん」


「…でも、前持って言っておかないと、後でバレた時もめんどくさいことになっただろ」


「打ち上げに行くなんて返事してない…」


「あ〜、そうだっけ?てっきり行ってくれるんだと思ってた」



そう言って背を伸ばした学君に眉を下げる。



「学君って……まだわたしのこと好き、なの…?」



控えめに尋ねてみるも、学君の表情は変わらなくて、そこから読み取れるものは何もない。


まだ好きなんて、それはさすがにないかな。


と視線を逸らした時、もっとめんどくさい人が関わってきた。
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