推しとか恋とか青春とか。
だんだんと不安になり、足を止めた。


足元を見ながら色々考えるも、何も浮かばない。


だって、どんなに相性悪くても、わたしは真留君が好きだから。


ただそれだけ。


…っ、行かなきゃ…!と勢いよく振り返ると、「ビックリしたぁ〜」と真留君。



「真留君?なんで!?」


「…教室の窓から帰る姿が見えたから追いかけて来ちゃった」


「……そっか。」


「どこに行くつもりだったの?何かを思ったように振り返ったけど…?」


「…真留君のところに戻ろうと思って…」



そう言うとなぜか口角を上げた真留君。


そのまま引き寄せられるように抱きしめられた。



「…ごめんゆに。実は全部聞こえてた」


「えっ?…」



うわうわうわ、なんか嫌な予感するんだけど…


聞こえてたってまさか…っ、
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