推しとか恋とか青春とか。
「今の返事はまた今度聞かせて?」



そう言い残すと、教室から出て行った。



「ゆに、今のはなに?」


「…なんだろうね?わたしもよく分からなかった」


「返事って?なんのこと?」


「あ、なんか、俺のことどう思ってる?って聞かれて、その返事を聞かせてほしいらしい」


「なるほど。がっくんはゆにが好きなんだ?」


「そうじゃないと思う。学君はあの例題を見たんだよ」



と黒板を指差すと、真留君の視線がそっちに向いた。


学君がわたしを好きなんて、奇跡が起きたとしてもあり得ない。


……でも、そうなのかな?ってちょっぴり思ってしまった自分もいたような…?



「あ〜あの例題は「出ないんでしょ?テストに」



そう言って真留君を睨むと、満面の笑みを向けられた。


全く、真留君は先生失格だよ。
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