推しとか恋とか青春とか。
「うん!数学で自己ベストの得点だった。学君のおかげだよぉ、ほんとにありがとう」


「俺は別に。彼方の努力の結果」


「それでもわたしに時間作ってくれたから。感謝してる」


「またいつでも頼って?」



そう言い残し教室を出て行った。


学君、相変わらずクールだな〜。


……最高の推しだ。


そんなことを思いながら自販機に向かっていると、「ゆにっ!」と廊下を走ってくる真留君の姿が見えた。



「もおっ、置いて行くなんて酷いよ」



側まで来ると、ほっぺを膨らましながらそんなことを言われる。



「だって真留君人気者だったし、声なんてとても掛けれる雰囲気じゃなかったんだもん」


「…でもがっくんとは普通に話してた。それも堂々と」


「みんなの意識が真留君に集中してる隙を狙ってお礼言っただけ」
< 68 / 326 >

この作品をシェア

pagetop