Never Forget You
「ジャーン!!」

9月下旬。

彩子さんはメイド服を買ってきて私に渡した。

「…あの、これ以上は俺の横に立たせようとか思ってないですよ?」

お店の事務所内でそーちゃんはにわかに肩を震わせている。

「真由ちゃんがいいって言ってくれたから」

彩子さんは笑って私を見ると、そーちゃんは鬼の形相で

「真由!!!」

「やれるだけやるの!!!!!」

私は彩子さんの後ろに隠れた。

ちょうど妊娠4ヶ月に入り、体型も変わりだしている。

「最終戦はロリータで」

彩子さんは更に別の袋を取り出してフリフリな洋服を出した。

「これならお腹も目立たないし」

「あのね!!!!!」

そーちゃんの怒声が響いた。

「ちょっと、うるさい」

事務所のドアが開いて、至さんが注意してきた。

「真由ちゃんがいけるならやってもらいなよ。
お前にとって、勝利の女神なんだから」

至さんの言葉にそーちゃんは肩をガクッ、と落とした。



…勝った!!

って、そんな問題じゃないけれど。
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