Never Forget You
「げ!いきなり行くか」
スタート直後。
祥太郎くんが叫んだ。
つい先日のレースでそーちゃんは普通に勝てないと思ったらしく、いつもなら様子を見て走るところで勝負に出た。
最初の第一コーナーで、自分がマシンを扱えるギリギリのラインでアクセルを開けた。
「晴れならいいけど…」
祥太郎くんの顔が引きつっている。
「雨であんなに開けるってアホか?」
その回答を至さんがした。
「そーちゃん、昔は雨の日が嫌いだったんだけど、ある時、突然コツを掴んだんだ。
あの程度まではそーちゃんなら大丈夫だよ。
…確かあれはむっちゃんが生まれた日かな」
私は至さんの言葉にハッ、とした。
そう。
あの日にそーちゃんは。
このクラスで初優勝したんだった。
「このスタートが成功すれば」
至さんは私を見て微笑んだ。
「そーちゃんは勝つよ、このレース」
スタート直後。
祥太郎くんが叫んだ。
つい先日のレースでそーちゃんは普通に勝てないと思ったらしく、いつもなら様子を見て走るところで勝負に出た。
最初の第一コーナーで、自分がマシンを扱えるギリギリのラインでアクセルを開けた。
「晴れならいいけど…」
祥太郎くんの顔が引きつっている。
「雨であんなに開けるってアホか?」
その回答を至さんがした。
「そーちゃん、昔は雨の日が嫌いだったんだけど、ある時、突然コツを掴んだんだ。
あの程度まではそーちゃんなら大丈夫だよ。
…確かあれはむっちゃんが生まれた日かな」
私は至さんの言葉にハッ、とした。
そう。
あの日にそーちゃんは。
このクラスで初優勝したんだった。
「このスタートが成功すれば」
至さんは私を見て微笑んだ。
「そーちゃんは勝つよ、このレース」