Never Forget You
「じーちゃん!!」
睦海はお義父さんの姿を発見するなり、玄関へ走っていった。
出迎えたのはそーちゃんで、玄関で何やら話をしている。
私はその間にお茶の準備。
「久しぶりだね」
後ろから声が掛かって振り返ると。
優しい笑みを浮かべたお義父さんがそこにいて
「お久しぶりです」
私が笑うとお義父さんも嬉しそうにしてくれて。
…なんだか照れるな。
お茶を用意してリビングに向かう。
「体調はどう?」
「今のところは大丈夫です」
「そっか、なら良かった。
…ところで」
お義父さんはひと呼吸を置いて
「賢司くんはどうだった?
俺も時々、病院には行ってるけど…」
賢司さんと長い付き合いのお義父さん。
やはり心配なんだろう。
「…最終戦まで、もってくれたらいいんだけど」
ため息まじりにそーちゃんは言った。
「俺にとって、父さんと同じような存在の人だから…
本当は死んで欲しくない。
…でも、もう目の前に迫っている死を避けられないし。
最後に、育ててもらったお礼をチャンピオンを取る事でしたいけど、果たして…」
そーちゃんは口元に出来るだけ笑みを浮かべようとしたけれど、無理だった。
悲しそうな表情だけが残る。
「そうか…
でも、総一。
お礼とかそんなんじゃなくて、とにかく自分の走りを大切にしろよ。
感情に流されるな」
睦海はお義父さんの姿を発見するなり、玄関へ走っていった。
出迎えたのはそーちゃんで、玄関で何やら話をしている。
私はその間にお茶の準備。
「久しぶりだね」
後ろから声が掛かって振り返ると。
優しい笑みを浮かべたお義父さんがそこにいて
「お久しぶりです」
私が笑うとお義父さんも嬉しそうにしてくれて。
…なんだか照れるな。
お茶を用意してリビングに向かう。
「体調はどう?」
「今のところは大丈夫です」
「そっか、なら良かった。
…ところで」
お義父さんはひと呼吸を置いて
「賢司くんはどうだった?
俺も時々、病院には行ってるけど…」
賢司さんと長い付き合いのお義父さん。
やはり心配なんだろう。
「…最終戦まで、もってくれたらいいんだけど」
ため息まじりにそーちゃんは言った。
「俺にとって、父さんと同じような存在の人だから…
本当は死んで欲しくない。
…でも、もう目の前に迫っている死を避けられないし。
最後に、育ててもらったお礼をチャンピオンを取る事でしたいけど、果たして…」
そーちゃんは口元に出来るだけ笑みを浮かべようとしたけれど、無理だった。
悲しそうな表情だけが残る。
「そうか…
でも、総一。
お礼とかそんなんじゃなくて、とにかく自分の走りを大切にしろよ。
感情に流されるな」