Never Forget You
陽が西に傾き。

そーちゃんは最後の1時間を祥太郎くんに任せて走行を終えた。



疲れきって寝ている睦海は長椅子に敷いたタオルケットの上に寝かされている。

レーシングスーツを脱いでチームスタッフ用のウェアに着替えたそーちゃんはそんな睦海の頭を撫でて、私を見てニッコリと笑う。



まだまだ走る余裕を残していて、チームスタッフからそのまま最後まで総一が走れ!って指示が出ていたけど。

祥太郎くんと交代した。



次に繋がるものを今年中に残さないといけない。

そーちゃんはもうこの時からすでに。

自分が抜けた後の事を考えていた。



自分の走りよりも祥太郎の成長が大事。

いつも、そう言っていた。
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