Never Forget You
行き先は。

ちょうど3年前に行ったあの海だった。

あの時は拓海くんの後ろに乗っていくつもの山を越えて行ったけど。

今度は自分のバイクで走ってる。

そーちゃんは余裕の走り…というか。

私が遅すぎて本当に手を抜いた走りをしていた。

たまに耐え切れなくなってアクセルを開けて走ったかと思うと、途中で待っていてくれたり。



「辛くない?私に合わせるの」

途中の道の駅で休憩をした時にそう聞いたけど、涼しい顔で

「これくらいで辛かったら全日本で走れないよ。
たまにはゆっくりと走りたいし」

そう言って大きく伸びをした。
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