Never Forget You
ゆっくり走って休憩して3時間。

あの、綺麗な砂浜に着いた。



「そーちゃん、早く!!」

私はジャケットを脱いでそーちゃんの腕を引っ張った。

「真由、焦らなくても海は逃げないよ」

苦笑いしながらもそーちゃんは一緒に走ってくれた。

途中で疲れて歩き出して、そしてそっと手を繋いでみた。

そーちゃんもギュッ、と握り返してくれて、しばらく浜辺を歩いていた。

春の陽射しが心地いい。

そして時折吹く風に潮の薫りが混じっていた。
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