Never Forget You
「…強気だね、真由」

消え入りそうな声を出してそーちゃんは笑った。

「安心して。
しばらくは、動けないよ…」

そう言うと目を閉じた。

「ホントに?」

私の言葉に頷く。



少し、ホッとした。

しばらくは本当に動けそうにもないし。

少しでも休ませないと。



そーちゃんはこれから。

チームの大黒柱、お店の大黒柱となるんだから。

今だけは。

ほんの少しだけでも、すべてから解放されて欲しい。



「…お願いがあるんだけど」

そーちゃんは弱々しい声を出す。

私はその声を聞き逃さないように顔を近付けた。

「いい子にするから…キスして…?」



…何を言い出すかと思えば!!

私の顔が赤くなるのがわかる。



「…ホント?」

そう言ってそーちゃんが頷きかけた時にそっと、私はそーちゃんの唇を塞いだ。

普段、そういう事を言わないから、よっぽど参ってるんだろうけど。



ま、これでしばらくはおとなしくするよね。



唇を離すとそーちゃんは少し元気になったみたいでさっきより力強い笑みを見せた。

私も微笑んでもう一度、その額にキスをした。
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