Never Forget You
「…真由ちゃん」

祥太郎くんは苦笑いしている。

「兄ちゃんはね、真由ちゃんが隣にいてくれるだけで幸せだったと思うよ。
兄ちゃんには真由ちゃん以外に必要なものなんてなかったんだ。
真由ちゃんさえいてくれたら…」

祥太郎くんは大きく深呼吸をして

「バイクを…捨てることも出来た気がする。
それだけ、真由ちゃんの事が好きだった」

そう言ってスナップ写真をパラパラ見出した。

梓ちゃんも一緒に写真を見ている。



「兄ちゃんを好きになってくれて、ありがとう。
そして、立ち直ってくれてありがとう」

笑った祥太郎くんはまるで拓海くんそのものだった。
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