Never Forget You
「今日はありがとう!」

楽しい時間はあっという間で。

9時過ぎに祥太郎くんと梓ちゃんは雪の中、帰っていった。

「気をつけて帰るのよ」

その言葉に祥太郎くんは振り返って笑った。



祥太郎くんはいつの間にか、身長が私を越えていて。

その雰囲気も大人っぽくなって。

拓海くんを思い出す。

思い出して、ふとあの箱を取り出してみた。



苦しくて仕方がなかったのに。

今は冷静に見る事が出来た。



段々、拓海くんという人が過去の遠い想い出になっているのだろうか?

いや、違う。



私が前に向かって進み出している証拠なんだ。
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