Never Forget You
「パパ、これ何?」

私がお店に色々手伝いに行く事が多くなって、睦海も一緒に行く事が多くなった。

「これはね…」

そーちゃんも手を止めて睦海に説明をする。

作業中、小さい子供がピットにいるのは危険だけど、誰ひとり、それを止めようとはしなかった。

むしろ、賢司さんは

「将来が楽しみだね〜」

なんて、目を細める。



遺伝子は恐ろしい…



時々、そう思う。

最近、賢司さんは睦海に三輪車を買ってくれた。

…まだ2歳半なんで早い。

けど、睦海は…

あまり漕げないけど乗って遊んでいる。

「来年くらい、補助輪付けてポケバイで走らそうか」

賢司さんはそう言って笑った。



そんな賢司さんだけど…

少しずつ、体の状態が悪くなっている。
< 73 / 163 >

この作品をシェア

pagetop