skytear

「今度放課後に2人で委員会の仕事することになったの」

佳音は照れたようにクリームが残ったドリンクをストローでかき回した。

「ええすごい！2人でゆっくり話せるチャンスだね！」

私は身を乗り出して佳音にそう言った。

「うん、すっごく嬉しいけど緊張するなあ」

はにかんだ笑顔の佳音は女の私から見てもドキッとするほど可愛くて、佳音の恋が実りますようにと私は心の中で祈っていた。

夕方7時頃、2人でカフェを出て別々の方向に歩き出す。

家に帰らなくてはいけないこの瞬間は憂鬱だ。
学校にいる時間や佳音と放課後過ごす時間の方がずっと気楽で良い。この時間が続けばいいのにと願ってもそれは叶わないから、せめて少しでもゆっくり歩こうと見慣れた景色を見渡しながら歩いた。

ポツリ。

私の頬を雨が濡らした。
見上げると暗くなった空を灰色の雲が覆っていた。