green mist ~あなただから~
それぞれの想い
~香音~
「水野さん」
病室を出て上がってくるエレベータを待っていると、後ろから名前を呼ばれて振り向いた。
「お母さま……」
「ごめんなさい。待ち伏せみたいな事をして、少しお時間いいかしら?」
「は、はい」
めちゃめちゃ怖いけど、逃げるわけには行かない。
彼の母と、近くのカフェで向きあって座った。
「今回は、本当にご迷惑おかけしましたね」
彼の母は、品よくコーヒーのカップを置いた。
「いいえ。明日、退院できるみたいで良かったです」
「ええ。今まで、無理をしている事は知っていたけど、倒れる事は無かったわ。自分で健康管理が出来る子だから……」
母は、ふっと息を吐いて私を見た。
何と答えていいのかわからない……
「水野さん、失礼だけど、おいくつかしら?」
「あっ。二十二です」
「はあ…… やっぱり……」
「やっぱり?」
「あっ。ごめんなさいね。お若い方だと思ったものだから…… 真央のマンションにいたそうね。そういう関係だと思っていいのかしら?」
母の顔を見る。嘘をつくことでもないと思った。
「はい」
「正直に言うわね。真央に、そろそろ事務所を引き継いでもらう時期だと思っているの、それと同時に、結婚の話もすすめているのよ」
「えっ」
「別に、真央がどんな女性と付き合うかは自由だと思っているわ。
でも、結婚は別よ。結婚する相手の方は、弁護士か法に関するお仕事をされている人がベストだと思っているの。
私もこの仕事をしてきたけど、理解してくれる人である事は勿論、仕事上でも助けあえる事が必要なの。分かっていたただけるかしら?」
「……」
「水野さん」
病室を出て上がってくるエレベータを待っていると、後ろから名前を呼ばれて振り向いた。
「お母さま……」
「ごめんなさい。待ち伏せみたいな事をして、少しお時間いいかしら?」
「は、はい」
めちゃめちゃ怖いけど、逃げるわけには行かない。
彼の母と、近くのカフェで向きあって座った。
「今回は、本当にご迷惑おかけしましたね」
彼の母は、品よくコーヒーのカップを置いた。
「いいえ。明日、退院できるみたいで良かったです」
「ええ。今まで、無理をしている事は知っていたけど、倒れる事は無かったわ。自分で健康管理が出来る子だから……」
母は、ふっと息を吐いて私を見た。
何と答えていいのかわからない……
「水野さん、失礼だけど、おいくつかしら?」
「あっ。二十二です」
「はあ…… やっぱり……」
「やっぱり?」
「あっ。ごめんなさいね。お若い方だと思ったものだから…… 真央のマンションにいたそうね。そういう関係だと思っていいのかしら?」
母の顔を見る。嘘をつくことでもないと思った。
「はい」
「正直に言うわね。真央に、そろそろ事務所を引き継いでもらう時期だと思っているの、それと同時に、結婚の話もすすめているのよ」
「えっ」
「別に、真央がどんな女性と付き合うかは自由だと思っているわ。
でも、結婚は別よ。結婚する相手の方は、弁護士か法に関するお仕事をされている人がベストだと思っているの。
私もこの仕事をしてきたけど、理解してくれる人である事は勿論、仕事上でも助けあえる事が必要なの。分かっていたただけるかしら?」
「……」