冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

伊織……。瑠璃と話したせいか頭の中は不安だらけ。伊織のことだし大丈夫だとは思うんだけど。


胸の辺りがざわざわして落ち着かない。



「どこに行ったの……」



キョロキョロとあたりを見渡して踵を返した時。



「伊織くん!私と付き合ってよ!」


「だから無理だと言っているだろう」



伊織の声……?


中庭の方から伊織と女の子の声が聞こえた気がしてそーっと声が聞こえた方をのぞいてみる。


あ……。伊織!


やっと見つけた。伊織が木の下にいるのが見えてホッと胸を撫で下ろす。


だけどそれも束の間。


もう一人、伊織のそばにいる人がいた。遠くて誰かはわかんないけどスカートが見えたのでたぶん女子生徒。


その瞬間ドクンと嫌な音を立てた。



「い、伊織……」


「なんでよ!なんで伊織くんはあの子の方が大切なの?私のことはどうでもいいの?」


「……え?」



伊織に声をかけようと1歩踏み出したけど、すぐに足を戻す。
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