冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

「ねぇってば!伊織くん!」



ーパシっ!


女の子の必死な声にはっとして隠していた顔をちょこっとだけ出してみる。



「えっ……咲坂、さん……?」



その女の子を見て私は驚いた。だって伊織と話をしていた相手が……咲坂さんだったから。


なんで……?


なんで咲坂さんと伊織が一緒にいるの……?


咲坂さん、伊織のこと諦めてなかったの……?



「うるさい。触るな!俺はお前のことなんてどうでもいい。さっさと目の前から消えろ」



伊織の腕をつかんだ咲坂さん。


だけどすぐに伊織は腕を振り払った。そしていつもの低くて、恐ろしい声を出していた。


久しぶりに聞いたな……。


伊織のこんな怖い声。最近は優しい声しか聞いてなかったからびくりと体が反応してしまった。



「伊織くん!」



やば、い。


想像以上な場面を見てしまったせいで体が言うこと聞かない。
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