冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

どうしよう。


ここから早く離れなきゃ。じゃないと伊織と鉢合わせになってしまう。



「ねぇってば!」



モタモタしていると私の横を誰かが通り過ぎていった。


その誰かとはもちろん……。



「伊織……」


「空音!?どうしてここに?」



伊織とバッチリ目が合ってしまい、逃げようにも逃げられない状況になってしまった。こんなとこ見てしまっただなんて伊織になんて言われるんだろう。


ああ、なんでこんなことになっちゃうのかな……。


私と目があった伊織はびっくりした様子でパチパチと瞬きを繰り返している。


一方で咲坂さんはと言うと……



「伊織くん!私の話を聞いてよ……って、そこに誰かいるの?」



追いかけてきた咲坂さんは立ち止まっている伊織を見て不思議そうに首を傾げると、ひょっこりと顔を出す。



「……どうして栗田さんがここに?」



何もいえずに押し黙っていると、咲坂さんから冷たく、敵意を向けられたような声が聞こえた。
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