冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
さっきまで可愛い声で伊織と話していたのに別人かと思うほどに冷たい声。
その声を聞いて私のことを嫌っているんだということを一瞬で悟った。
「あ、あの……」
「もしかして盗み聞き?」
「や、ちが……」
咲坂さんが怖くて目が合わせられない。まだ何も言われてないのにものすごく怖い。
「空音。なんでここにいたのか分からないがとりあえず帰るぞ。質問は家に帰ってから聞く。咲坂、お前とはもう話すことはない」
「え?」
「ちょっと!」
伊織ははぁ、とため息をついてそう言った後、私の腕を強く引っ張る。その力強さにドキッとするけど……伊織から放たれるオーラが……怖いんですけど……!
「伊織!いいの?咲坂さんと話をしなくて」
黙々と歩くこと数秒。
あれから咲坂さんは追ってくることも無く、無事に教室まで着いた。
あれからお互い無言で気まずいんだけど……。