冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
ここまで会話らしい会話はなかった。
ずっと黙りこくったまま。空音はなにか言いたそうな顔をして、口を開いては閉じてを繰り返している。
俺もなにか話さなければいけないのだが何から話そうか。
「……飲み物、持ってくる」
話すことをまとめるために一旦空音から離れることにした。飲み物を取ってくることをいいわけに席をたつ。
……だけど。
「いい。今は飲み物いらない。それより……さっきのこと話してほしい……」
俺の袖を引っ張り、動こうとするのを止めた。
掴む力は弱いけどちゃんと俺と向き合おうとしてくれているのが伝わってきた。
……俺が逃げてどうする。
向き合うって、決めただろ。
「……わかった」
「ありがとう」
空音の言葉に頷くとほっとしたように微笑む。
その表情が切なくて、今にも消えてなくなりそうだった。
なんで……そんな顔をする?