冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
バタバタと暴れていると、女子のヒソヒソ声が聞こえた。その声にドキッとする。
や、やば………。
こんなとこ見られたら絶対誤解される!
「いやいや、それは〝幼なじみ〟だからでしょ。特に意味はないって」
体育館を出る前にぼそっと聞こえたヒソヒソ話。〝幼なじみ〟という言葉が聞こえて胸がちくりと痛んだ。
………嫌だな。ホントのことなのに、なんで胸が痛むの。
胸が苦しくなってぎゅっと伊織の服を握る。その瞬間、ビクッと伊織が震えた。かと思えば、ピタリと歩く足を止める。
なんだろう………?
「おい、うるせーぞ。ちょっとは黙ってろ。先生、コイツを保健室に送っていきます」
「お、おう………頼んだぞ」
ードキンっ!
い、伊織………?なんか怒ってる?
急に立ち止まったかと思えば女子を一瞬で黙らせてしまった。
伊織は何も考えていないとわかってるのに、ドキドキと心臓が暴れたように早く脈打つ。