冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
不思議そうに私を見てくる。その質問にギクッと体が強ばった。お母さんには伊織も補習だということは話していたけど理由はとてもじゃないけど話せなかった。
だ、だって私のために赤点取りましたなんて口が裂けても言えないよ!
「あはは……伊織も今回は勉強してなかったんじゃない?」
「……そういうふうには見えないけどね。空音じゃあるまいし」
「……ごちそうさまでした!」
このまま話をしていると変なことを言ってしまいそうだったので朝ごはんを胃の中にかきこむと席を立ち上がり、慌てて家を出る。
お母さんになにか言われた気がするがそれは無視。
私は早く伊織に会いたい。
夏休み。
地獄の補習が幕を開けた。
「伊織!おはようー!」
「おはよう。朝から元気だな」
家を出ると真っ先に見えたのは私の大好きな伊織。スマホをカバンにしまうと私をみてにこりと微笑む。