冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

自分の席まで歩き、はぁとため息をつく。


今度はちゃんと勉強してからテストに挑もうと心に誓った瞬間だった。



「よくやったな」



ノートを取ろうとシャーペンを手に持った時隣に座る伊織から声をかけられた。私にしか聞こえないくらいの小さな声。


だけどそれが嬉しくて思わずガッツポーズを返した。



「うん。ありがとう」



補習は嫌だけど……やっぱり伊織と一緒というだけで楽しい。


***


「それでは今日はこれで終わり。夏休みの宿題もちゃんとやるんだぞー」



補習の終了を告げるチャイムが学校に鳴り響くと先生はそう言って教室から出ていく。


終わった……。


なんとか補習一日目が終わってほっと胸を撫で下ろす。夏休みは始まったばかりだけどどっと疲れが出た。



「空音、お疲れ様。大丈夫か?」



机に顔を突っ伏していると伊織が遠慮がちに聞いてくる。


私、そんなに疲れてるように見えるのか……。
< 155 / 227 >

この作品をシェア

pagetop