冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
すると、
ーガタンっ!
「え?」
教室の前の方から椅子から何かが落ちたような音が聞こえた。
はっとして音のした方へ振り向いてみると……。
「咲坂さん!?」
「咲坂?」
咲坂さんが椅子から落ちたみたいで床に倒れていた。びっくりした私は思わず咲坂さんの方へ駆け寄る。
だけど……
「ふふっ。演技なのにのこのこやってくるなんて。バカじゃないの?」
咲坂さんの様子を見ようと顔を近づけるとぐいっと耳を引っ張られ、ぼそっと呟かれた。
その恐ろしい声に思わずばっと手をふりはらう。
ドクドクと心臓が騒がしく脈打っていた。
……な、何……今の。何が、おきたの……?
「咲坂!?大丈夫か?」
咲坂さんを見てフリーズしていると伊織が近くによってきた。私は震える手を抑えながら伊織を見る。
だけど伊織の目には私は映ってなくて倒れた咲坂さんだけを見ていた。
「伊織、くん。助けて……苦しいの」