冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
なんかもう疲れちゃった。
「……帰ろうかな」
しばらくひとりで泣いて少し気持ちがスッキリした頃。私はカバンを持って立ち上がる。
伊織はまだ戻ってこない。
時間は結構たったのになんで伊織は戻ってこないの。
……ダメだ、帰って宿題やろう。
これ以上ここにいたら自分の気持ちが分からなくなってしまう。それだけは避けないと。私はまた涙を流しながら教室を出ていった……。
***
翌日の朝。
「もう、朝……補習行かなきゃ……」
ピピピ、ピピピ……と目覚ましがなる部屋でボソッとつぶやく。
補習2日目。
私は布団をどかしながら重たい体を起こそうと力を入れるもなかなか起き上がれない。どうしよう。昨日一睡も出来なかった。
布団に入っていざ寝ようと目をつぶるけど頭の中でお姫様抱っこされた咲坂さんと伊織が焼き付いて眠れなかった。
頭も痛いけど何より……心が痛い。