冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

スマホのメッセージ画面にはそんな文章があった。


……どういうこと?


伊織……今日は学校一緒に行かないの?


スマホを持ちながらメッセージを見つめる。昨日のことを謝ってるのはわかってる。なのになんで学校に一緒に行かない方向に話がいってるの?


って、私も……おかしいね。


伊織に会いたくないとか思ってたくせにこういうメッセージが送られてくると悲しくなる。


私……やっぱり伊織に嫌われてるのかなぁ。



「もう……自分の気持ちがわかんないや」



押さえ込んでいた涙が次から次へと溢れ出す。


一晩中泣いて、涙は枯れたと思ったのにまた新しい涙が溢れる。


そして、また伊織のことを思うんだ。



「空音ー!いい加減起きなさーい!遅刻するわよー!」



スマホを放り投げひたすら泣いているとお母さんに呼ばれた。もうそんな時間なんだ。



「今……行くー!」



正直補習なんて投げ出してしまいたい。
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