冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
ーガタンっ。
伊織に撫でられて満足していると前の方から大きな音が聞こえた。はっとして振り返るとそこにはカバンを抱えた咲坂さんの姿が。
その姿を見てズキっと心が痛む。
なんでか分からないけど咲坂さんを見てると苦しくて。たくさん嫌なことをされて恨んでるはずなのにほっとくこともできなかった。
「……ねぇ。咲坂さんと本当に和解したの?ちゃんとお互い気持ちをぶつけたの?」
「急にどうした」
ほとんど無意識に出た言葉だった。
はっとした時にはもうそんなことを聞いていて口元を手でおおう。
なんでだろう。
関わらなくなってほっとしているはずなのに自分から傷つきにいってるようなものじゃない。ほっとけばいいじゃない。
「いや……なんか、咲坂さんのことほっとけなくて……」
「アイツのことはほっとけ。咲坂もひとりにして欲しいとでも思ってるんじゃないか?散々なことをしてきたから少しでも反省してほしいな」