冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
どうしてこう、私は自分から首を突っ込むような真似をしてしまうのか。本当はなんとなくわかってた。
あの日、はじめて咲坂さんが伊織に告白していたのを見た日。本当は違ったけど……。
あの日から私と咲坂さんは同じだった。
ちょっと気持ちがすれ違っただけ。本当は……分かり合えるはずなのに。
気持ちがお互い大きく膨らんでしまったんだ。
「はぁ……咲坂さん!」
「え?」
昇降口に向かう途中で咲坂さんの後ろ姿が見えた。見つけた瞬間、思わず名前を叫ぶ。いつもなら持っと大きな背中が今は小さく、震えてるように見えた。
ごめん。
ごめんね。気づかなくて……。
「空音!お前はいったい何を考えてるんだ!」
咲坂さんはびっくりしたように立ち止まる。私はここぞとばかりに逃げられないように腕を掴む。
それと同時に伊織が私に追いついた。
……というか伊織、私のこと追いかけてたの?