冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
申し訳なさでうつむいているとぼそっとつぶやかれた。
「え?」
「伊織くん、今までごめんなさい。私……自分のことしか考えていなかった。栗田さんの気持ちを聞いてようやく目が覚めた」
すっと私から掴んでいた腕を離すと頭を下げる咲坂さん。まさか謝られるとは思ってなくて固まってしまった。
あの咲坂さんが謝ってくれた。
私も自分のことしか考えていなかったのに……ここまで真剣に伊織のことを思っていたんだ。
「俺も……悪かった。この前咲坂に言われてやっと気づいた。今までどんな態度を取ってきたのか」
この前……?
どういうこと?
「伊織、どういうこと?この前って?」
伊織、咲坂さんと話してたっけ?
私と喧嘩してた時はそんな空気なかったけど……いつの間に。
「ああ、あの時、咲坂がわざと倒れた日だよ。言われたんだ。一生懸命思いを伝えてる女の子のことを考えてないって」