冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
恋はひとりではできない。
好きな人がいて、頼れる友だちがいて。時にはライバルになる人が現れて。
すぐに気持ちを伝えられたら苦労しない。
たくさん大変なことがあるからこそ、恋は楽しいんだ。
「じゃあお互いさまってことで終わりにしよう?ありがとう、栗田さん」
ふふっと笑ってその場から離れていく咲坂さん。
だけどその後ろ姿は先程よりも明るく、大きく見えた。言いたいことを言えたのかな。
表情もいつもよりもスッキリしたようだった。
私も……気持ちが良かった。
気持ちをぶつけて……正解だったな。
「ねぇ、伊織。私……伊織のこと大好きだよ」
「あ?急になんだよ」
咲坂さんを見送って、伊織を見る。伊織も咲坂さんを見る目は穏やかでとても綺麗だった。
その表情を見てたら急に好きという言葉が出てきた。
「いや、こんな私でも好きになってくれる人いるんだなぁって、今更思っただけ。それと、気持ちを伝えたかっただけだよ」