冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
誤解されるのはめんどくさいけど伊織が私だけに優しいって聞くと幼なじみで良かったなと思う。心から嬉しいって思う。
だけどやっぱり複雑な気持ちになる。
私は幼なじみじゃなくて〝カレカノ〟になりたいのに………。
「でも伊織にはきっと何も思われてないから大丈夫だよ。ただの幼なじみとしてしか見てないと思う」
「空音………」
あはは、と自虐的に笑う。
自分で言って苦しくなるけどこれは本当のことだから仕方ない。
瑠璃はなにか言いたそうだったけどそれ以上は何も聞いてこなかった。
「おい、空音。帰るぞ」
「あ、うん!じゃあね、瑠璃。また明日!」
「うん。バイバイ」
瑠璃と話し込んでいると伊織に話しかけられる。
はっとして顔をあげると右隣には何を考えているのか分からない、いつものクールな表情をした伊織が立っていた。