冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

「はぁ?空音と離れるなんてできるわけないだろ?こんなに好きにさせといて」


「……ちょ、伊織、近いっ!」



何故か怒っている伊織はだんだんと私に迫ってくる。トン、と背中が壁に当たった。


ドキドキと騒がしくなる心臓。


あ、朝からこれは心臓に悪すぎる!


近さに耐えきれなくて目をつむる。



「……まぁ、今はこのくらいで勘弁してやるか」


「伊織?」



ちゅとおでこにキスをしたかと思えばそれ以上は何もせずにそのまま離れていった。


……なんだったんだろう、今のは。



「それよりも今日どっか行くか?夏休みもうすぐで終わるし、久々にゆっくりデートしたいな」


「あ、そっか。まだ夏休みだったね」



寝ぼけてて、学校があると勘違いしてたけどそういえばまだ夏休みだった。学校が始まるまであと2日。


お母さんたちはこの期間を狙って旅行の計画を立てていたのか?
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