冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

「そうだ。空音の顔にまだまだ聞きたいことがあるって書いてあるぞ?」


「んぇ!?ど、どんな顔よ!」



歩いていた足を止め、思わず顔を手で触る。


聞きたいことがある顔ってどんな顔なの!?



「特にないけど………」



正直聞きたいことは山ほどある。だけど直接本人には聞く勇気がなかったのでモゴモゴとそう答えるしかなかった。


私は素直になれない。


可愛くない、伊織のただの幼なじみだから。



「………それならいいが」



少しの沈黙の後伊織がつぶやいた。


一体伊織は何を考えてるの?
なんでほかの女子には冷たいの?


喉まででかかった言葉を飲み込むようにして、黙り込む。これだからさっきみたいにクラスメイトとかに悪口言われるんだよね。


言いたいことがあるのに言えない。


なんでもはっきり言う伊織とは正反対だ。


はぁ、と伊織に気づかれないようにため息をつく。
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