冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。

「はーい」


「あ、空音?今大丈夫?」


「どうしたの?」



返事をするとお母さんがドアからひょっこりと顔を出す。



「今日ね、お夕飯橘さんと一緒に食べる予定でしょ?」


「えっ、そうだっけ!?」



お母さんからとんでもない言葉が飛び出て、驚く。え、今日食事会だったの!?


私の両親と伊織のご両親が仲がいいのでこうしてたまに食事会が開かれるんだけど、今日のことは知らなかった。


最近いろいろありすぎて頭の中から多分すっぽ抜けてたんだと思う。



「そうよ。この間言ったじゃない。もしかして聞いてなかったの?」


「うっ、ごめんなさい。聞いてませんでした」



お母さんが私の心を読んだかのように図星をついてくる。


うー………。


ひとつのことで頭がいっぱいになるとほかのことが出来なくなるのは私の悪いくせだな。あはは………。



「はぁ………。まぁ、いいわよ。今からその準備するから手伝ってくれる?」
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