冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
同じように伊織に恋している女の子を守りたかった。なのに………この男は何なんだよ!
「空音、何怒ってるんだよ。俺はちゃんと自分の気持ちを伝えただけだ」
「あ、あの………私、大丈夫だからっ!」
伊織に怒っていると咲坂さんがつんつんと袖を引っ張って私を止める。
顔を咲坂さんに向けると、思いっきり涙ぐんでいて心が痛くなる。なんで………こんな一生懸命思いを伝えてるのに伊織はいつも冷たく振るの………?
バカじゃないの………?
「じゃ、そんなわけだから。お弁当だけもらってくよ」
そう言ってヒョイっとお弁当だけを持ってそそくさとこの場から去っていく。
え、え………この状況で去っていくものなの………?
さっきまで怒っていたのに、怒りがどこかへ飛んで行ったようにポツン、と取り残された。
「栗田さん、ありがとう。私のために怒ってくれて。じゃあ、私も行くね」
「え、あ、ちょっと!」