冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
「ごめんなさいねぇ。伊織がこんな感じで。伊織、本当は空音ちゃんのことが好きで仕方ないの。素直じゃないんだから」
「へ?」
「ちょっと、母さん!?余計なこと言うなよ!俺が空音のこと好きなわけねぇじゃん!」
伊織のお母さんの言葉にキョトンとする私と珍しく焦っている伊織の声が重なった。
伊織が私のことを好き……?
あの意地悪で女子みんなに冷たい伊織が……?
いやいや、絶対ないよね。幼なじみだからきっと舐められてるんだ。
そうそう。これは幼なじみのノリ。
と、勝手に自己完結する。
「伊織が私のことを好きなわけないじゃないですかー!幼なじみのノリですよ。大丈夫です。慣れてるので」
「あら。そうなの?残念ね、伊織」
ケラケラと笑っていると伊織を見ながら伊織のお母さんがボソリとつぶやいた。
「だから言っただろ。コイツは鈍すぎるんだって」