冷徹冷酷な極上イケメンは幼なじみを甘く激しく溺愛したい。
びっくりした私はフリーズ。
え、今なんて言った?
「伊織、今なんて言った?」
「あ?だからお前の部屋に一時避難させろって言ったんだけど」
理解が追いつかなくて聞き返したら若干イラつきモードの答えが返ってきた。
あ、これは本当に疲れてるな。
それを見て私は察した。こういう場が苦手な伊織は相当我慢したのだろう。口が悪くなっている。
「わかった。でも私なんかの部屋でいいの?伊織、自分の部屋に帰った方がよっぽど休めると思うけど……」
家が隣同士なので帰るのにそうそう時間はかからないはず。
ましてや高校に入ってから1度も私の部屋に来たことないのに。
どういう心境の変化なんだろう。
「あ?この場で帰るバカがいるか?そもそも帰りずらいだろ」
「……確かに」
伊織にそう言われて納得。
確かにこの雰囲気の中、ひとりだけ帰るなんて言いづらい。伊織ってば、真面目だからこういうとこ気にするんだよな。